僕が仕事を辞めたわけ(庄司薫さんの単行本タイトルの真似)
去年の今日、3月22日、
35年間勤務した仕事を退職しました。
お別れパーティーの最後には、若い衆に胴上げまでされて、
「俺がいなくなるってそんなにうれしいのかよ!」と思ったことは
胸の内に深くしまっておきます。
世の流れに従って、職場でも定年後の継続雇用を決めたのは何年前だったでしょうか。
その時は、65歳まで働くつもりでおりました。
が、定年が秒読みに入ったころ冷静に考えたのです。
60過ぎて退職しなかった先輩(でも、この職場では後輩でしたが)に
ざっくばらんな話を聞いたのですが、
「手取りは半分以下だよ。」と。
まあ、現役当時と同額の給料が手に入るとは考えていません。
でも、せいぜい7掛けくらいにはなるのだろうと思っていたのですが、
「半分以下」って、いったい…
年齢を重ねただけで、技能は何一つ衰えていない、
逆に円熟を重ねている(と自負している)のに、
手取り半分以下で働かせるんかい!
また、別の話も聞きました。元勤務先に一番近い同業者の話です。
「そこでは、定年の数年前から後輩の指導がメインの仕事で、
他の仕事は大幅に減らしてもらえるらしい」と。
前述の後輩など、現役以上の仕事を押し付けられ、休日はほぼなし。
給料は半分以下。
そんな状況でこの職場にしがみついていても
何もいいことはないと思ったのです。
すごくありていに言えば「なめんなよ!」ですかねえ。
もちろん、35年かけて、ゼロから今の状況まで育てた(私の力も何%かは
あったと思う)職場に未練はありました。
でも、思ったのです。これでは後に続く後輩たちも犠牲になる、と。
60過ぎの延長雇用について、真面目に考えろよ
という気持ちが退職に踏み切った大きな理由の一つと言えるのです。
同じ気持ちだったのかどうか、30年一緒に働いて、同時に定年を迎えた
同僚も退職しました。
このブログで書いても職場の偉い人には伝わらないでしょう。
でも、自分の区切りとして、
長年苦労してきた人を大事にしろよ、と
世の偉い人すべてに伝えたい。
(いつかこの私を継続雇用しなかったことを
心の底から後悔させてやる…と、
以上曳かれ者の小唄でした。)