自粛中の楽しみ5
ああ、やっと本題のNゲージにたどり着いた...
さて、いつかは故郷の田園風景とその中を走る旧国鉄の車両、スイッチバック、
ひなびた木造駅舎をNゲージで再現しようと思ってから早幾星霜...
あるとき、チャンスは突然に、必然に、自然にやってきました。
私は、某高等学校が設立されて以来三十五年間、ずっとそこで働いていたのですが
(途中二度、各一年間の出向あり)、新設の学校を作り上げていくというのは、
思っている以上に大変でした。
二時帰宅、三時過ぎに寝て六時に起き、出勤。
そんなことを続けられたのは、若く、体力にも余裕があったのでしょう。
今は、絶対無理です。
ま、それはさておき、そんな仕事の中には、部活動の指導というものがあります。
入れ物(校舎)と、中身(生徒、先生)があっても、ほかには何もありません。
全部ゼロから作っていくしかなかったのです。
部活動もないし、顧問もいない。
なので、陸上競技部、サッカー部、写真部、演劇部、文芸部等の創設と、最初の顧問は
私が引き受けました。
だんだん学校が出来上がっていく過程で、専門知識や技能を持った人に顧問を
バトンタッチして、部活動も一層発展していくわけですが、
五十歳を過ぎたころ、新たな部活動が発足し、
教職員満場一致で(ウソ、大げさ)、私が顧問になったのでした。
その部活は「鉄道研究会」!
なんで私が鉄道好きってみんな知っていたんだろう?
未だに謎ですが、ま、結果オーライです。
倉庫として廃棄予定の机や机や椅子がいてあった教室を
部室として使わせてもらうことになり、部員全員と机や椅子を分解、
破棄して、広々とした部室を手に入れたのです。
部員たちは、90cm×180cmのベニヤを数枚購入し、
部室の半分ほどの面積に大きなレイアウトを作り始めます。
部費で購入するものは、小物やパワーパック、レールなど。
レールなどは、KATO社のものに限定していました(生徒の希望による)。
なので私はKATO社製品とは互換性のないTOMIX社のレールなどを
(これだと、公私混同の非難を浴びる恐れがない)
趣味(もとい、指導の一環)として購入し始めたのです。
どちらの会社のレールでも走らせられる車両は、部費での購入禁止。
部員各自の自前のものを持って部活に参加する、というルールを、顧問として
決め、活動を開始しました(自分勝手ではありますが、部費での車両購入は、
どうしても避けたかった)。
ま、生徒なりに工夫して少ない部費を使ってベニヤ3枚くらいの大きさの街をつくり、
文化祭などではかなり好評を博していたように思います。
で、私の話です。
職場の帰り道(うそ、ちょっと遠回りしました)に、「ジョーシン電気」という店が
あり、そこのキッズランドには、鉄道模型を扱うコーナーがあったのです。
とある年、文化祭で必要なものを購入しに寄ったとき、こんなものを見つけたのです。
在庫処分品で、たしか半額だった記憶が。
90cm×60cmの、レイアウトボードです。
その当時は、退職したら自宅へ持ち帰れるし、という考えで購入したのですが、
どうやらNゲージのレイアウトを作成する最小のボードだったようです。
さあ、ここにどんなレイアウトをひくか、というのが次の問題として
浮かび上がってきました。
続きます。