リーバイスとアルバイトのこと 4
千葉県(特に南房では)台風が残した傷跡も癒えていませんが
しばらく宙ぶらりんになっていた「リーバイス」のお話です。
履いたまま洗うと身体にフィットするという、リーバイス501です。
このジーンズには、下のようなラベルが貼ってあります。
これは、バイト当時お店で「ワンウォッシュ」と呼んでいた501のものです。
ラベルの内容はすごく簡単にいうと、
「このジーンズは、洗って縮ませてあるけれど、洗っていくうちに長さにして
3%縮むので、ジーンズに表記どおりの数字を目安に買うように」
ってなことだと思います。
そして、もう一つ、一度も水を通していない「オリジナル」と呼ぶタイプのものも
ありました。
もう一種類は、何度も洗ってあり、これ以上殆ど縮まないよ、というタイプでした。
確かウォッシュと呼んでいたと思います。
3%縮むって、どれくらい?
物好きな向学心旺盛な私は、501のオリジナルを購入
(当時も505より2割がた高かった。EDWINの倍以上の値段)。
履いたまま風呂場でたわしを使って洗い、天日で干す、ということを
実行したのです。
そして洗う度に、購入したの501の寸法(長さ、ウエスト)を記録に取り続けました。
3か月くらいで縮みが収まり、私はそれをグラフにして、
店の501の棚に掲示したのです。
もちろんEXCELなど影も形もない時代です。個人持ちのPCといえば
エプソンのHC20という8ビットの(今なら)玩具のようなPCしかない時代でしたから(それでも当時13万円!)、当然市販のグラフ用紙に記入して掲示したのです。
これは店長も「まあ、暇なんだろうな」という程度の評価だったとは思いますが、
店に出入りのリーバイスの営業T氏の目に留まったのです。
「このグラフを作ったの、君?」というところから始まって、いろいろな話を
するようになります。
前回の記事で記したとおり、リーバイスとリーは、ほかのメーカーとは別格、
という感じでした。
中でも、リーバイスは、リーバイスジャパンを創立したばかりで、
企業としての鼻息も荒かったように覚えています。
鼻息が荒かった一つ目。
リーバイスは注文のミニマムが20でした。
つまり、一度の発注で、20本未満では注文を受けない、というのです。
これでは小さなお店はリーバイスを発注するのがとても困難です。
必然的にリーバイスは扱えなくなります。
鼻息が荒かった二つ目。
B級品(メーカーのチェックで、織斑や傷などが見つかった品。その当時は
アウトレットモールなどありませんから、B級品も一般の店に卸されます)は、
ほかのメーカーでは、売り場に「B級品」と表示し、油性マジックでウエストのラベルに赤い斜線を入れればそれで安売りができたのですが、
リーバイスは、赤いタブ(Levi’sと記されているアレ)を切り取らないと
B級品として安売りすることができなかったのです。
そんなリーバイスの正社員の方と話ができる、というのは、
ただのアルバイトにしてみれば大変なことでした。
そのT氏からジーパンの扱いなどについて教えてもらったことを
次は記してみたいと思います。